出演者調査シリーズ初めてとなるメインキャストの紹介です。今までは役名や俳優名があまり知られていない方を紹介してきたこのシリーズですが、今回は北の国からで螢を演じた中嶋朋子さんについて深掘りしてみました。
北の国から’89帰郷・’92巣立ち・’95秘密と青年期の螢が変わっていくのは、北の国からの見どころの1つかと思います。北の国からファンの方に改めて言うまでもありませんが、’89帰郷では螢の初恋・勇次との別れ、’92巣立ちでは勇次との恋愛・進学就職問題・五郎への思い、そして’95秘密では妻子ある男性との不倫・駆け落ちとその苦悩が描かれています。

螢の不倫については当時驚いた方も多かったと思います。「僕たちの好きな倉本ドラマ(別冊宝島)宝島社2003年発行」の中の杉田成道さんのインタビュー記事によると、中嶋朋子さんは「私は螢じゃない。自分はあんなにいい子じゃない」と反発し、螢像を振り切るようにいろんなことをやり始めたそうです。倉本先生や杉田監督は、網タイツにおっぱいが見えそうな衣装のグラビアを見て「あの螢がこんなになったの!?」とビックリしたそうです。螢の恋愛をこれからどうするかってなったときに、「勇次とうまくいくわけないでしょ」「そうだよな。やっぱり不倫だよなぁ」とストーリーが不倫になったそうです。あのときの中嶋朋子さんがそういう状態じゃなければまた違った話になっていたんじゃないかなと話されています。
その頃、中嶋朋子さんが出演された映画・ドラマ作品を紹介します。
◇つぐみ(1990年)ーつぐみ(牧瀬里穂さん)の従姉妹のまりあを中嶋朋子さんが演じています。甘やかされて育ったわがままなつぐみに対し、まりあは真面目でしっかり者です。


◇ふたり(1991年)ー妹の実加(石田ひかりさん)はマイペースでのんびりした性格で「ドジでグズでマヌケな私」と自らも認めているのに対し、姉の千津子(中嶋朋子さん)はしっかり者で成績優秀、ピアノも上手で周りから一目置かれる存在です。


つぐみ(1990年)・ふたり(1991年)の2作品では優等生的な螢がそのまま成長したような人物を演じています。
そして、先ほどの杉田成道さんのインタビューにもあったように、中嶋朋子さんは1991年にVienfoというグラビア写真集を発売しています。この頃から演じる役に変化が表れてきます。
◇あさってDANCE(1991年)ー「好きで悪いかよ!!中嶋朋子がとびきりキュートな小悪魔に大ヘンシン」男心を惑わす小悪魔な綾を中嶋朋子さんが演じています。綾はスエキチ(石橋保さん)の布団に入り股間を触ったり、アダルトビデオを一緒に観ようといったり、自由奔放な言動でスエキチは翻弄されっぱなしです。



◇東京エレベーターガール(1992年)ーつかさ(宮沢りえさん)は東京の郊外にあるデパートのエレベーターガール、そのデパートの受付嬢の薫を中嶋朋子さんが演じています。薫はおとなしく職場ではあまり目立ちませんが、実は上司の博(佐野史郎さん)と不倫をしています。不倫の末に妊娠、生みたいという薫に対し堕ろしてくれと土下座する博。ハサミを持ち出し博の上着を切り刻む薫、中嶋朋子さんの鬼気迫る演技も注目の作品です。



あさってDANCE(1991年)・東京エレベーターガール(1992年)の2作品は、優等生的な螢とは違った女性を演じています。
「中嶋朋子=螢=優等生」というイメージがついていましたが、俳優としてそれだけじゃない成熟した姿を表現したかったのだと思いました。すべての作品を観たわけではありませんが、最近では「海に眠るダイヤモンド(2024年)」で主役の鉄平(神木隆之介さん)の母親ハル役を好演されました。10代のころから舞台でもご活躍されています。ドラマや映画作品はいくつか観ていますが、本投稿をまとめていて一度は生の舞台で中嶋朋子さんの演技を見てみたいと思いました。
【関連ページ】
出演者調査
https://kitanokunikara.blog/performer-survey/
※視聴メモ
https://kitanokunikara.blog/drama-movie-memo/
『雑草の生活』中嶋朋子 新潮社
https://kitanokunikara.blog/2023/10/21/zasso-no-seikatsu/
『めざめの森を めぐる言葉』中嶋朋子著
https://kitanokunikara.blog/2021/09/04/nakajimatomoko-syoseki/


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