連続第15回 事件

 次の日は朝ご飯を急いで食べてお兄ちゃんと家を出たんだ。途中で正吉君と待ち合わせして学校に行ったよ。凉子先生、今日はどんなかしら?学校に来たら凉子先生がいなくて代わりに本校の先生が来てた。今度の月曜、授業参観と臨時の父兄参観があるって言ってた。凉子先生がいないのなんか変だよね。臨時の父兄会と関係あるのかな。凉子先生はUFOに連れていかれたのかな。正吉君は凉子先生が宇宙人だったらうつされるんじゃないかって。病気と違うんじゃない。
 父さんとお兄ちゃんと3人で富良野の町に行ったよ。町で買い物をしたんだけど、お兄ちゃんの様子がおかしいんだ。途中で座り込んじゃうし。なんでだろう?そしたら、分校の友達の順子ちゃんとお父さんに会ったんだ。父さんたちで夜、公民館に集まる約束してた。
 次の日、お兄ちゃんと学校に行ったら、正吉君が凉子先生が中にいるぞって。3人で窓から凉子先生の様子を観察してたんだ。変わったところないかなって。先生は歌いながらピアノの練習をしてた。お兄ちゃんはボーっしてたけど、どこを見ていたのかな?
 夜、螢が勉強してたら、父さんがお兄ちゃんに花のおしべとめしべの話をしてたよ。おしべとめしべが引っ付くと実ができるって。父さん何の話をしてるのか螢よく分からなかったよ。
 父兄参観日の日、螢は父さんのことを作文に書いて発表したよ。父さんのことがおもしろいって見ていた大人たちも笑ってた。でも螢は父さんのこと大好きだよ。螢の作文が終わったら正吉君のおじいちゃんが来たんだ。授業の後、本校の立石先生が分校の閉校のことを話し始めたんだ。そしたら、正吉君のおじいちゃんが手紙を立石先生に見せて読んでいただきたいって。凉子先生にあんたは本当に生徒を殺したのかって。そしたら凉子先生が東京で先生をやっていたときのことを話したんだ。担任していた子が凉子先生に叱られて自殺しちゃったって。凉子先生の話の途中で父さんがとめたんだ。先生が悪いんじゃないって。それで、正吉君のおじいいちゃんは外に連れ出されちゃった。父兄会はめちゃめちゃになってしまったんだ。凉子先生かわいそうだった。正吉君もかわいそうだった。
 夕方から雨になった。夜ご飯が終わって9時頃になって正吉君のおじいちゃんが家に来たんだ。お酒を飲んで酔っ払ってるみたい。洋服もびしょびしょだった。馬を売ったって言ってた。馬を売ったときの話を父さんにしてた。正吉君のおじいちゃん、とても寂しそうだった。馬も自分が売られてしまうことを気づいたんだって。馬が涙を流してたんだって。話をしながら正吉君のおじいちゃんも泣いてたよ。それから正吉君のおじいちゃんは一人で自転車に乗って帰ったんだ。
 次の日、お兄ちゃんと学校に行く途中、橋の上にみんなが集まっているのが見えたんだ。走って行ってみると正吉君のおじいちゃんが橋から落ちて倒れてたんだ。辰巳のおじさんが死んでるって言ってた。螢とお兄ちゃん、走って家に帰って父さんを呼んだんだ。

←連続第14回 UFO  連続第16回 転校→