北の国から’87初恋の納屋のシーンと三島由紀夫の「潮騒」について

北の国から’87初恋より

三島由紀夫の「潮騒」は彼の代表作の1つで何度も映画化されています。神島(潮騒では歌島)を舞台に若い男女の恋愛が成就するまでを描いた物語です。映画をご覧になったことのある方はお気づきかと思いますが、北の国から’87初恋の納屋のシーンは三島由紀夫の「潮騒」をオマージュして書かれたそうです。

純とれいが納屋で雨宿りして、れいがスリップ1枚になるシーンは、三島由紀夫の「潮騒」の影響を受けて書いた場面です。もともと「ダフニスとクロエ」という、少年少女が恋をして原野の中で結ばれる有名なギリシャ神話があるのですが、三島はそれをベースに書いたんです。「潮騒」は海辺の話ですが、女性の肌のきれいさが際立つ三島の傑作です。それに影響されて、僕は納屋のシーンを書きました。

※「テレビの国から」倉本聰 産経新聞出版 P66より引用

ということで前から気になっていた映画「潮騒」を2作品観てみました。

◇1964年公開「潮騒」ー森永健次郎監督、浜田光夫さん・吉永小百合さん主演

1964年公開の「潮騒」(予告篇)

◇1975年公開「潮騒」ー西河克己監督、三浦友和さん・山口百恵さん主演

1975年公開の「潮騒」(予告篇)

※以降、潮騒(1964年)・潮騒(1975年)と表記します。

 

若い男女が互いに惹かれあい、困難を乗り越えて恋愛を成就させるストーリーにすがすがしさを感じました。北の国から’87初恋では純とれいちゃんの恋愛は成就できませんでしたが、若い男女の恋愛物語という点では同じような感動を覚えました。

マドンナ役の女性の肌のきれいさ・芸術的な美しさが際立つ名シーンだと感じました。

潮騒(1964年) 初江(吉永小百合さん)
潮騒(1975年) 初江(山口百恵さん)
北の国から’87初恋 れい(横山めぐみさん)

 

男性の裸のシーンも・・・。漁師の男の鍛えられた肉体美がまぶしいです。

 

女性が先に服を脱ぎ、男性に服を脱ぐことを促す流れも同じでした。

潮騒(1964年) 初江「汝(んの)も裸になれ、ほったら恥ずかしくなくなるやろ」
潮騒(1975年) 初江「汝(んの)も裸になれ、ほったら恥ずかしくなくなるやろ」
北の国から’87初恋 れい「うわァびしょぬれ。純君ぬいで。わたしもこっちでぬぐ」

 

初江「その火を飛び越して来い。その火を飛び越してきたら」

「潮騒」の中の有名な台詞のようです。北の国から’87初恋では焚火の代わりにストーブといったところでしょうか?

れいちゃんが「その火を飛び越してこい」って言って、純がストーブを飛び越すなんていうのはさすがに不自然ですので、この台詞の再現はなかったんでしょうね(;^ω^)

北の国から’87初恋

 


余談ですが、2013年に放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」でも映画「潮騒」をオマージュしたシーンがあります。

あまちゃん第46回

アキ(能年玲奈さん→のんさん)が種市先輩(福士蒼汰さん)と焚火をしているときに三島由紀夫の「潮騒」の話になり、恋心に火がついたアキが焚火を飛ぼうと走り出します。その後、携帯電話を探していた副駅長の吉田(荒川良々さん)が焚火を飛ぶというパロディ要素がつまったシーンでした。(笑)

「あまちゃん」の中で使われている曲「潮騒のメモリー」の歌詞の出だしを紹介し、まとまりませんが本投稿を終わります。

♪来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー

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